もの珍しい怜の日記

怜の思ったこと

今回は時給の上げ幅を15年の2.5%より低く抑える。

すき家は14年に過重労働問題が発覚し、イメージの悪化が客離れにつながった。
店員が1人になる深夜の営業体制にも批判が集まり、全店の6割にあたる1200店超で深夜営業を休止した。
結果、15年3月期は回転ずしやレストランなどの伸びで増収は確保したものの、最終損益は111億円の赤字に転落した。
創業者の小川賢太郎会長兼社長は常々、すき家は食のインフラとして24時間365日営業が基本 と話す。
上場来初の赤字という逆風下、ゼンショーはあえて15年春に全員一律の時給引き上げを初めて実施した。
時給の引き上げなどが奏功し、この1年でパート・アルバイトの総数は約5千人増加。
16年2月末時点のすき家の深夜営業休止店舗は262店まで縮小した。
連動して業績も上向き、15年4~12月期は33億円の最終黒字に転換。
当初計画より遅れているものの、足元では月30~40店のペースで深夜営業店舗が増えており、17年3月期中の全店再開も見えてきた。
リクルートジョブズによると、三大都市圏のアルバイトの平均時給は16年1月まで31カ月連続で前年同月を上回った。
相場が上がるなか、全面再開を確実にするためにも、2年連続の引き上げが不可欠と判断したとみられる。
ただ、 今後の経営環境は厳しさが増す。
10月には社会保険の適用範囲拡大を受け、企業の保険料負担が増加。
ゼンショーは1%分の賃上げに相当すると負担の増加を見積もる。
予定通り消費税率が10%に上がれば、消費者は支出を絞り込む。
同時に軽減税率が導入されれば、外食からコンビニエンスストアやスーパーに流れるとの見方もある。
16年3月期通期の最終黒字がほぼ確実となるなか、今回は時給の上げ幅を15年の2.5%より低く抑える。