もの珍しい怜の日記

怜の思ったこと

地元の反発など社会的コストは非常に大きいとみる。

EU側は保護が必要なシリア難民などは受け入れる一方、就労目的などの経済移民は受け入れない方針だ。
トルコとの交渉でも、当初はトルコからギリシャに渡った経済移民を引き取るよう求めていた。
しかし、首脳会議に臨んだトルコのダウトオール首相はギリシャに渡った密航者は経済移民か難民かの区別なしにトルコへすべて送り返すことを容認。
欧州への難民や移民の流入抑制に向け、これまでよりも踏み込んだ対策を提案してみせた。
ただ、その見返りのハードルも大きく引き上げた。
EUからの資金支 援を60億ユーロへ従来と比べ倍増させるほか、EU域内を旅行するトルコ国民のビザ免除の開始時期を従来の10月から6月へ前倒しすることなどを求めた。
EU首脳らはトルコの新提案について大筋合意。
今後詳細を詰め、17~18日のEU首脳会議で最終合意を目指す。
ただ7~8日の議論では資金支援の倍増に一部首脳が議会承認が得られないなどと慎重論を展開した。
会議後の声明文でも倍増の明記が見送られた。
イタリアのレンツィ首相は記者団にやり遂げなければならない作業はまだたくさんあると語った。
トルコへの移民・難民の送り返しや、EUによるトルコからのシリア難民らの定住受け入れの実効性にも不透明感が漂う。
トルコのビリギ大学のアイハン・カヤ教授は技術的に現実的なのか疑問だ。
トルコ政府はエーゲ海沿いにいくつかの難民キャンプをつくる必要があるが、地元の反発など社会的コストは非常に大きいとみる。
EU側がシリア難民らの定住受け入れを域内でどう分担するのかを巡っても、調整の難航が必至だ。
EUは昨年秋、ギリシャとイタリアに到着した難民16万人を加盟国で分担して受け入れることで合意した。